心身をほぐす極上ステイ Stay Story

水がぬるみ出すと、小さな魚が水面にのぼってくる。硬くこわばっていた蕾がはじけ、愛らしい花びらを覗かせるーー。停滞していた世界が一気に動き出す春。こわばっていた心身をほぐそうと、ハンモックマッサージ付きのステイプランを予約したのが先日のこと。ホテルについてしばらくは部屋でひとり、のんびり時を過ごす。その後、満を持してジムでマシンを使った。ランで徐々に体温が上がり、額に汗が滲み出す。脈が幾分速くなり、このままもっと遠くへ走り出したいような気分になってくる。アクティブにトレーニングをこなした後は、風呂で汗を流し、さらにサウナで体を絞った。肌の表面に玉のような汗が浮かび、やがてサラサラと流れおちる。この時点でかなりデトックスできたようだ。
さっぱりしたところで、楽しみにしていたハンモックマッサージを受けた。オランダ製の大きなハンモックは人が手で織ったという手触りのよい布を使用しており、ほどよい揺れと相まって、まるで胎内にいるかのような安心感。この状態のまま受けるヘッドマッサージほどヘブンリーな体験は、いまだかつて体験したことがなかった。体全体をすっぽり布に包まれ、まるで無重力のような状態で頭頂部やこめかみをもみほぐしてもらっていると、体の隅々まで新鮮な血液が巡ってゆくのがわかる。施術が終わって立ち上がると、驚くほど頭が冴えている自分がいた。施術後は「The Lobby Cafe」でハーブティーと少しの糖分を口にしながらまどろんだ。窓から差し込む柔らかな光を浴びていると、昨日までの心身のこわばりが全て流れ去っていることに気付く。今夜は良く眠れそうだ。